2015年10月13日、埼玉県草加市の有限会社浅井製作所へ見学に伺いました。
同社の設立は1968年。現代表の浅井英夫氏の父・伸一氏が創業し、67年を迎えます。1985年には英夫氏が入社し、1997年に代表取締役に就任しました。
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有限会社浅井製作所外観
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代表取締役 浅井英夫氏に
熱心に質問するTES会員・須藤祐子
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2001年には自社サイトを開設し、ネットによる販売促進も積極的に行ってこられました。当時の中小企業としてはかなり早くからの取り組みであったため、IT系雑誌などにも何度も紹介されました。
また、クラウドファンディングサイトzenmonoで約85万円を調達し、工場の壁にのぞき穴を開けて現場を見ることができるようにする「のぞき穴開発プロジェクト」の施工が2015年9月に終了しました。
TESのメンバーも同社到着早々に、のぞき穴からねじ工場の現場を見ることができ、みんなワクワクした気分で同社の工場の扉を開けることになりました。
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工場の壁にのぞき穴
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のぞき穴から見えるねじ工場の現場
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現在、浅井英夫氏おひとりで切り盛りする工場で手掛けるねじの一日の生産量は約40万本。
「ガチャン!ガチャン!」という大音量とともに、20数台の機械から針金の束がカットされ、圧縮され、転がされて小さなねじが出来上がっていくさまに、TESのメンバー一同、息を飲みました。特に創業当時から稼働しているという、歴史を感じさせる黒光りした機械の存在感が強く印象に残りました。
「昨今あるような電気的に制御されたものではない、からくり時計のような古い機械が文句一つ言わず、せっせとねじを生み出していくさまが何ともけなげな感じ。」とはメンバーの須藤祐子(有限会社岸本工業)の声。
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工場内部
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針金の束
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創業当時から稼働している機械
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小さなねじが出来上がっていく
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また製造工程を見学させていただいたあとは、オリジナルの消費財である、ねじを使った指輪やペンダント、ストラップ、切手、Tシャツなどを見せていただきました。
TESメンバーからは思わず「かわいい!」という声も。早速その場でいくつか販売していただきました。
小ロットでも対応しているため、最近では、模型やアンティーク家具のユーザーからの問い合わせも多いという同社です。
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ねじを使ったペンダントやストラップ
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切手とTシャツ
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日本におけるねじのルーツは、16世紀半ばに種子島に渡来した銃の尾栓作りから。そして19世紀半ばにはからくり儀右衛門がねじ切り装置を製作して、和時計の部品にねじが使用されています。
工業製品として日本で生産されるようになったのは、幕末に西欧列強の侵略から日本を防衛するために、製鉄所と造船所が建設され鉄船の建造や修理が始ったことに端を発します。
その後、ねじは「産業の塩」と呼ばれ、日本のものづくりの高度成長期を支えてきました。
「産業の塩」と呼ばれるねじ
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日本の基幹産業を下支えしてきた職人のプライドが、浅井製作所が掲げる「ねじなめんなよ」というキャッチコピーに反映されています。
ちなみに、ねじの頭である六角の部分やプラス、マイナスの溝を工具で削ってしまい変形させてしまった状態を「ねじをなめる」といいます。
そういった点からもダブルミーイングと言えるでしょう。こんな一言にも、浅井製作所のセンスがキラリと光ります。
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壁面には「ねじなめんなよ」のキャッチコピー
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集合写真
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