(財)大田区産業振興協会専務理事の山田伸顯氏が、3月1日、日刊工業新聞社から、『日本のモノづくりイノベーション―大田区から世界の母工場へ』 を出版されました。 大田区の産業振興に長年携わっていらっしゃる豊富な人脈ならではの盛大な会で、大田区の工業界、商業界、省庁関係、大学関係など約150名が参集しました。TES会員・奥山睦は大田区異業種交流グループ連絡会の会長代理で出席し、花束の贈呈をさせていただきました。 1990年代以降の不況と、経済のグローバル化に伴い、日本の産業構造が大きく変動しました。その変動の波は大田区内の中小企業にも押し寄せ、その結果ピーク時の1983年には9190あった大田区内の工場数は、2005年には4778にまで減少しました。 山田氏は著書の中で、現状を見つめ危機意識を持って、今後中小企業が取り組まねばならない課題を3つあげています。 1.グローバル化への対応。中小企業も積極的に海外展開する必要性。 2.環境保護への対応。クリーンなものづくりの必要性。 3.少子高齢化の影響。いかに優秀な人材を育てていくかという人づくりの課題。 この本の中では、大田区の60社以上の企業を実例として取り上げ、紹介・分析しながら、今後の中小企業の生き残りの方向性を探り出しています。 大田区は、機械金属産業関連の中小企業が集積し、高度な技術力を武器に、「世界に冠たるものづくり町」と言われ、日本の基盤産業を支えてきました。厳しい経営環境にさらされている今だからこそ、イノベーションが必要であるというメッセージが、ひしひしと伝わってくる読み応え十分な1冊です。
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